レイナが執事日誌を綴る様子をイメージした写真
BUTLER JOURNAL

行きつけの執事喫茶で、私がお茶をいただく理由

レイナ/

バトラー・レイナが、休みの日にひとり訪れる行きつけの執事喫茶での時間を綴ります。おもてなしを受ける側に回って初めて見えてくるものについての、私的な一杯の記録です。

白手袋の手が、アンティークの銀のティーセットと懐中時計をそっと整える手元

皆様、こんにちは。執事のレイナです。今日は少し私的なお話を。私が休みの日に、ひとりでふらりと訪れる行きつけの執事喫茶についてお話しさせてください。

ふだんの私は、プライベートダイニングの現場でお客様に給仕をする側の人間です。ですから休みの日にわざわざ執事喫茶へ足を運ぶと言うと、少し不思議に思われるかもしれません。けれど、おもてなしを「受ける側」に回ってみると、ふだん自分が立っている景色が、まったく違って見えてくるのです。

その日も私は、窓辺の席に案内していただきました。運ばれてきたお茶をひと口いただいた瞬間、私はいつも背筋が伸びる思いがします。茶葉の量や蒸らし加減はもちろんですが、それ以上に、器がほんのり温められていること、注ぐ速さがこちらの呼吸に合わせられていること――そういう「言葉にされない心配り」に気づかされるからです。マニュアルには決して書かれていない部分でこそ、人はもてなされていると感じる。それを、お客様の椅子に座って初めて思い知らされます。

お茶と一緒にいただく季節の焼き菓子も、私の小さな楽しみのひとつです。香りの立ち方を邪魔しない甘さの菓子が、そっと添えられている。ああ、この方は茶葉のことをよく分かっていらっしゃる、と嬉しくなってしまうのです。そうして気づけば、次に自分が食卓を設えるときの引き出しが、また一つ増えている。

結局のところ、私にとってこの喫茶での時間は、休息であり、勉強でもあるのだと思います。もてなす人の手つきを、もてなされながら静かに学ぶ。皆様も、たまにはご自分がお客様になってみてください。いつもの食卓が、また少し愛おしく見えてくるかもしれません。

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